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特許

取得

耐アルカリ性光合成細菌

P.S.B.

Photosythetic Bacteria

世界にただ一つだけの光合成細菌

 通常使用されている光合成細菌の多くは脱窒効果に着目し利用されてきました。目的が脱窒であれば酸性側で機能する光合成細菌でも十分に効果を上げることが出来るため、培養が容易な酸性の光合成細菌が利用されてきました。

 私(北道)は有機物の分解に着目し、耐アルカリ性光合成細菌の研究を続け、世界で初めて「耐アルカリ性光合成細菌」の大量培養に成功しました。

 動植物性廃液処理などにはアルカリ性で働く細菌が必要ですが、酸性の光合成細菌は使用できないため、一般的に光合成硫黄細菌が用いられています。

 この光合成硫黄細菌は増殖に大量の硫黄が必要なため、数々の問題を抱えています。しかし、私(北道)が発明し特許を取得した光合成細菌は、アルカリ側で機能する光合成非硫黄細菌(耐アルカリ性光合成細菌)です。

 耐アルカリ性光合成細菌を短期間に大量に培養する技術の発明により、光合成細菌の利用用途が広がり、また手軽に利用できるものとなりました。

光合成細菌が多くの学者の研究により、その多面的な機能が注目され始めて、すでに50年以上が経過しています。

光合成細菌の働きは実に多彩で(表1)のように農業、畜産、環境、水産、さらに医薬分野への応用が可能で、現在問題となっている食糧生産、エネルギー生産、環境問題などの解決に大きく貢献できる微生物のひとつとして期待されています。

                            

                             

                             

 

農業分野での利用

近年 有機農業への取り組みが世界的に叫ばれており、食の安全・安心は元より高品質でおいしい農産物が求められており、化学肥料と農薬漬けからバイオマス系の有機物利用および有機質肥料主体の農業体系に変わりつつあります。このような背景のなかで、光合成細菌(主としてRhodobacter capsulatus) の生きた代謝機能および有機栄養物質としての菌体が次のように利用されています。


水田作物での利用  水田では水稲の根圏環境は常に還元状態にあり、前作の作物遺体である残根、イナワラなどの有機物と新たに施用された有機質肥料や堆肥などの未分解有機成分が、土壌微生物により還元状態で分解されます。その際、多量の低級脂肪酸、アミン類、硫化水素などの有害物質が生成され水稲の根の養分吸収を阻害することが知られています。光合成細菌は、その活発な代謝機能を利用して、これらの有害物質を分解、低減化することが可能です。

光合成細菌を水稲へ施用した試験では、処理区は対照区と比較して収量が増加しました 。この試験結果などにより 「水稲への光合成細菌施用」は長野県農林研究財団から長野県の普及技術として認められています。
サンコーキンエコバランスを利用した農家でも4年の実績があり、”病気にかかりにくく強い、収量が増えた”という評価を頂いています。

 

畑作物での利用  畑作では主としてイチゴ、メロン、トマト、ナス、キュウリ、レタス、ミカンなどの果菜・果樹類の品質向上(日持ち、色つやの向上、ビタミン類の増加)および土壌病害の予防・軽減に効果をあげています。
光合成細菌は菌体内にビタミン、アミノ酸、色素などを豊富に含み、それらの成分は作物の体内に直接取り込まれると考えられています。
近年、リービッヒの無機栄養説に対して、“有機栄養学説”が
“ PEON(ペオン)理論”により実証されつつあります。

PEONとは ( phosphate bufferextractableorganic nitrogen)の略であり,作物は相当量の窒素をアンモニア、硝酸態窒素ばかりでなく、8000 Da近辺の分子量のタンパク様窒素を直接吸収していることが解明され、これらのタンパク様窒素を多く有する光合成細菌菌体分解産物の有用性もより具体的になりつつあります。

サンコーキンエコバランスを土壌潅水・葉面散布するだけで7つの効果が確認できています。宮崎・鹿児島の実践農家では、人参、じゃがいも、サツマイモ、里芋、玉ねぎ、大根などの野菜や、マンゴー、イチゴ、メロンなどの果物で驚くほどの効果が実証されています。

7つの効果とは、

”強く・早く・大きく・多く・美しく・甘く育ち、そして長く保つ”

効果です。

畜産分野での利用

 

“健康卵”、”健康肉”の生産 

光合成細菌菌体成分を有効利用した菌体混合飼料を豚および鶏に与えることにより、健康志向に合致したLDLコレステロールの少ない健康卵の生産および肉の生産が可能であることが最近の研究で明らかになりました。

 

畜舎からの悪臭軽減  

光合成細菌の生きた菌の代謝機能を活用して、畜舎から発生する悪臭の軽減を行っています。

光合成細菌はアンモニア、低級脂肪酸などの悪臭成分を資化し無臭にする効果があります。実際に市販されている光合成細菌は, Rhodobactercapsulatus以外にR. palustris, R. spheroidesが主なものです。主に養豚、養鶏で使用されています

サンコーキンエコキッド消臭液との利用で、畜舎の臭いを除去することが可能です。鹿児島・宮崎の酪農家で採用されています。

 

高温好気発酵(TAO)システムによる有機液肥の製造  

TAOシステム(図1)は畜産糞尿に高温菌を添加後、曝気を行い、

高温好気液状発酵により機能性成分に富む液体肥料を生産するものです。

発酵終了後に光合成細菌を添加することにより、より高品質で無臭の

液肥に品質を向上させることが可能です。

この液肥を施用した水田では冷害を回避して平年通りの収量を確保

できたという報告があります。

サンコーキン耐アルカリ性光合成細菌を使う特許システム

TAOよりも簡単に、しかも早い処理が可能です。

 

水産分野での利用  

光合成細菌はクルマエビ養殖など栽培水産および観賞魚、ニシキゴイ飼育などで利用されています。

水産分野向けに菌体の有効成分を固定化した商品も開発されています

 

クルマエビ養殖での利用  

日本のクルマエビ養殖場で10年以上前から光合成細菌をはじめとする微生物商品を使用し、抗生物質の使用を抑える “有機養殖”システムが採用され、高品質なクルマエビを生産しています。

光合成細菌はクルマエビの餌料に添加し、光合成細菌の代謝機能、光合成細菌菌体が含有する有効成分(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、色素など)を活かしています。

光合成細菌など微生物商品の利用で養殖環境を改善、生態系に対して安全で、持続的に高品質な水産物を生産する有機養殖を可能にしています。

 

熱帯魚飼育などでの利用  

光合成細菌が光合成を行う際に汚れの原因となる水中の窒素を代謝、水質を浄化することができます。飼育環境の改善を図るため、活魚水槽、観賞魚池などで利用されています。

光合成細菌体に含まれるビタミン、ミネラル、アミノ酸、色素成分を熱帯魚、ニシキゴイなどが摂取することによって、魚が健康になり、色も鮮やかになるため観賞魚としての価値が向上します。

 

◆今後の課題と展望
市販されている光合成細菌商品の使用分野は、農業、水産、環境浄化など多岐にわたり、近年インドや中国ではヒトの飲用にも用いられています。

しかし、これら商品がうたう効能や成分などはまちまちです。それは光合成細菌が一種類ではないことを意味しています。

サンコーキンが特許を保有する「耐アルカリ性光合成細菌」は他に例を見ない世界で唯一サンコーキンだけが商品化した、特別な光合成細菌です。

開発以来数々の実験を行い、その効果は明らかですが、学術的証明には至っていないのが現状です。

長年にわたる研究により、光合成細菌は多種多様な生理活性を持つ菌体成分を含有していることが報告されており、今後はヒトへの活用が期待されています。

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